放射線量、タクシーが監視 最新地図ネット公開 365日路地裏も

タクシーに放射線測定装置を積載して東京電力福島第一原発事故で拡散した放射性物質の空間放射線量を測り、最新の線量地図を作るプロジェクトが郡山市で始まった。「多くの人に目に見える形で現状を知ってもらいたい」と大玉村の三和製作所がシステムを開発し、市内の西条タクシーが協力している。7日、測定器を搭載したタクシーで市内を試験走行した。空間線量の測定にタクシーを活用するケースは県内で初めてで、関係者はきめ細かい線量の情報提供につなげたいとしている。
 三和製作所の斎藤雄一郎社長(45)は、行政が公共施設に設置しているモニタリングポストでは面的な空間放射線量を把握できないと考え、約一年半をかけて車載型の線量測定器を作った。これまで県内外で走行実験を繰り返してきたが、「地図の精度を上げるためには日常移動する車両に取り付ける必要がある」と判断し、タクシー会社に協力を仰いだ。
 測定器は、高さ約1メートルの位置となるタクシー後部座席の三角窓に取り付け、5秒に1回放射線量を測定しながら走行する。測定値は無線で助手席に取り付けられたタブレット型端末に送られる。衛星利用測位システム(GPS)による位置情報と合わせてリアルタイムで端末の地図上に表示する。線量は色で表し、線量の低い順に青、水色、赤、黄色と区別する。
 端末に蓄積されたデータは1日の営業後にタクシーの営業所で回収し、サーバーを経由してインターネット上で公開する。乗客がタクシー内の端末で見られるほか、スマートフォン(多機能携帯電話)などで、市民も自分の地域の線量を確認できる。行政による除染作業に役立てることも可能だ。8月末をめどに公開する予定。
 測定器は一般的に信頼性の高いセンサーを採用しており、毎時0.01マイクロシーベルトから最大同300マイクロシーベルト程度まで計測可能。時系列で線量の変化も把握できる。今後増産し、104台ある同社のタクシー全てで搭載を目指す。
 県内ではこれまでに県が同様の装置を乗用車に積載し、放射線量が局地的に高い「ホットスポット」を探したり、通学路の線量調査に活用したりしている。
 車両によるモニタリングでは、京都大が県内のバス会社と連携し、路線バスで測定するシステムの開発を進めている。タクシーは24時間、365日動き、バスの通らない郊外や路地裏でも計測できる利点がある。
 斎藤社長は「タクシーは行動範囲が広く、住宅地などでより細かい生活圏内のデータが得られるのではないか」と期待する。西条タクシーの西條勝昭社長(39)は「避難している人が現状を知り、県内に戻るきっかけになれば」と話している。福島民報

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