子どもの健康 農作物の風評 被災者支援法 政府対応遅れ

 東京電力福島第一原発事故の被災者支援を充実させる目的で成立した「原発事故子ども・被災者支援法」に関する政府の対応方針が半年以上たった今も決まっていない。同法には、事故による放射線被ばくの恐れがある地域の子どもや妊婦の健康管理を行うことなどが明記されている。だが政府は、新たな風評被害を心配して、積極的な対応策を打ち出せず、予算措置も遅れている。 (中根政人)
 同法は、昨年六月の通常国会で、全会一致により成立。放射性物質が飛散した福島県外の地域も念頭に、特に影響が心配される子どもの安全確保に配慮することを主眼に置いている。具体的には、政府が子どもや妊婦の健康診断の徹底や医療費の減免、自主避難者の生活支援などに取り組むことを定めた。
 同法は、自民党の森雅子少子化担当相らが発議者に名を連ねる。施策の早期実現を求める超党派の議員連盟には民主党の平野達男前復興相、みんなの党の渡辺喜美代表、社民党の福島瑞穂党首らが役員に就いている。
 政府は、基本方針の策定が義務付けられており、放射線量を基準に「支援対象地域」を指定しなければならない。
 対象地域について、日本弁護士連合会などは、平常時の一般住民の被ばく線量限度とされる年間一ミリシーベルト以上を指定の基準とするよう要求。この場合、支援対象地域は福島県外に拡大する。
 千葉県内で、放射能汚染の問題に取り組む市民団体「こども東葛ネット」代表の増田薫さんも「国は、放射性物質による子どもなどの健康不安の問題を軽視したままだ」と対象地域を広範にとらえるべきだと主張している。
 一方、福島県に隣接する栃木県のJA栃木中央会は「米や野菜などの風評被害はようやく落ち着きつつある。放射性物質に関する誤った情報で新たな影響が出ないよう配慮してほしい」と対象地域拡大が新たな風評被害を生む懸念を訴える。
 基本方針の取りまとめは復興庁が担当だが、こうした声に挟まれ具体策を決められずにいる。担当者は「母子の健康不安に応えるのは最優先だが、農業などへの影響とのバランスをとるのも難しい」と明かすが、基本方針を決定する時期は未定のまま。復興庁の二〇一三年度予算案にも、子ども・被災者支援法に関する事業費は計上されていない。
 安倍晋三首相は一日の参院代表質問で同問題について「真に支援を必要とする方に適切な支援が行われるよう検討を進める」と述べるにとどめている。東京新聞

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